それでは、と、バックナンバーも手に取って読んでみた。そして、中村桂子さんと、土井善晴さんの対談記事を見つけた。そこに、和食に因んだ平和思想を見つけた。
中村 和えるという言葉は、日本文化を代表していて好きなのです。和といえば平和で、みんな仲よくしましょうということです。でも世界中、ごしゃごしゃに混じることはできない。利え物は、一緒にあるけれどにんじんも大根もそれぞれの味が生かされていますね。
土井 西洋のフレンチの“混ぜる”は、マリアージュして別のものを生むこと。和えるというのは、それぞれの素材を生かして、互いに引き立て合います。日本は「混ぜない」文化なのです。お煮しめも、おすしの具も、食材を混ぜません。
(中略)
中村 願うのはやはり平和です。みんなで仲よく幸せに生きたい。(『家庭画報』、2020年1月号、世界文化社、p143)
ここで語られている素材を人間に置き換えれば、立派な平和思想になる。一つの組織の中にあって、「それぞれの味が生かされ」るって、まさに一人ひとりの人間の尊厳があってこそだからだ。それに、「願うのはやはり平和です。みんなで仲よく幸せに生きたい」は、多くの人々の願いでもある。
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