2021年2月10日水曜日

二一世紀は「共生、共存、協調」で

  前に紹介した『沖縄・読谷村の挑戦』(山内徳信・水島朝穂編、岩波書店 、1997年)のまとめの章は「沖縄の村から未来が見えてくる」だった。そこには、二一世紀の未来像が、次のように簡潔に描かれていた。

 敗戦後に生まれた日本国憲法。この憲法は世界のどの憲法にもない、最も進んだ平和主義を持っている。戦争と暴力の世紀だった二〇世紀を反省して、二一世紀は、みんなが共生、共存、協調でいこうという点で一致すると思う。その方向を指し示しているのが日本国憲法なのです。だから、この憲法を大事にしたい。読谷村でもこれをさらに活かしていきたいと思うのです。
「ベルリンの壁」が崩れましたが、同時に世界中の国境も崩れはじめたのです。人もモノも情報も国境を越えていく。自分の国のことだけ考える国益中心の時代は終わったのです。私たちは一〇年、二〇年単位でものを見るのではなく、五〇年、一〇〇年単位で先を見ておかなければいけないと思う。今の環境問題、あるいは自然破壊の問題など、国を越えた大きな課題です。地球を破壊させてはならない。美しい緑の地球を守っていく必要がある。読谷村の村づくりの基本理念は、「人間性豊かな環境・文化村」ですが、この理念は普遍的なものです。「地球のなかの一つの村」として、読谷村は今後も「こだわりの村づくり」をしてまいりたい。(『沖縄・読谷村の挑戦』、p61、強調は引用者による)

 日本における国際リニアコライダー(ILC)計画が注目されているようだが、その計画は、世界49ヵ国も一緒にやってきたという。科学の世界では、「共生、共存、協調」を先取りしているようだ。素晴らしい!
 と同時に、戦争だけでなく、戦争の準備そのものも、科学の進歩にとって妨げになることがよくわかる。
 この大型施設(ILC)の大きな目標は二つ。一つは「母なる」暗黒物質を探すこと。もう一つは「空気のような」ヒッグス粒子の実体を詳しくつかむこと。どちらも私たちのルーツを探す旅だ。
 当然こうした目標は世界共通だ。設計段階から、世界49カ国・地域が一緒にやってきた。(2021年2月10日朝日新聞「村山斉の時空自在」より)
(2021年2月10日朝日新聞「村山斉の時空自在」より)


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