2021年2月8日月曜日

空から突然何かが降ってくる恐怖

『沖縄・読谷村の挑戦」(山内徳信・水島朝穂編、岩波書店 、1997年)を読んだ。読後感は、「知らなかった」で、いいのだろうか?ということだ。
 戦闘機の墜落は論外として、空から戦闘機の部品が落下することまでは知っていた。しかし、過去のこととはいえ、人が落ちてくることまでは知らなかった。パラシュート降下訓練中に、目標地点から外れ、空から突然、生活圏に米兵が落ちてきたというから驚く。
 写真にあるように、1965年6月,トレーラーの落下で幼い少女が圧殺されたという。トレーラーまでパラシュートで落下させたのだろうか。これが、米軍の、日米安保条約の実態である。日本人として、こうした事実に、きちんと向き合い、現実に苦しんできた人たち、現に苦しんでいる人たちに思いを馳せることが必要ではないだろうか。

水島:トリイ・ステーションの第一特殊部隊群第一大隊(グリーソレー)の九一年会計年度報告書によると、接近戦闘からスキューバ潜水訓練、爆破工作など実にいろいろな訓練をやっていることがわかります。その中に「軍事自由落下訓練」というのがある。これがパラシュート降下訓練でしょう。
山内:そうです。ここは飛行場というよりも、むしろパラシュート降下訓練場として使われてきました。
水島:四〇〇〇メートルから降下して、低いところでパラシュートを開く。米軍用語で「高高度低開傘降下(HALO)」。グリーンベレーの訓練は非常に実戦的ですね。でも、失敗すると訓練施設の外に飛び出す
山内:とにかくたくさんの事故が起きています。普通のパラシュート訓練は、飛行場の半径五〇〇メートルのターゲット内に落ちてこなければいけないのですが、風に流されたりして、住民の生活圏内に落ちてくるわけです。
 たとえば、一九六五年六月の棚原隆子ちゃん事件は悲惨でした。小学四年生の隆子ちゃんは、自宅庭先で、降下してきた米軍トレーラーに押しつぶされました。圧死です。また、古堅小学校では、ハー年九月、二学期最初の全体朝会場を横切って米兵が落ちてきた。子どもたちの頭をかすめて。校長やPTA会長をはじめ、各団体代表みんなで、外務省や米大使館まで抗議に行ぎました。
 とにかくいろいみなものが生活をしているところに落ちてくる。角材が屋根をぶち抜き、七キロの鉛のかたまりが玄関前に落ちてくる。ドラム缶数個が空から降ってくる。耕作中の農民の目の前に米兵が落ちてきて、畑を踏み荒らす。昨年までこんなことがずっと続いたのです。役場が建ってから、米軍は一回だけやりたいと言ってきたので、「常識があるならば、常識的に判断せよ」と答えさせた。結局やらなくなりましたね。
水島:騒音、事故、環境汚染、米兵犯罪など、基地被害にもさまざまな種類がありますが、生活の場に空から突然何かが降ってくるというのは日常的恐怖ですね。資料によると、七九年から九六年までの一八年間に、一八六回六八七七人が降下しています。八八年が一番多くて、三八回一四〇三人です。この年の事故が三件と近年で一番多いですね。(p9〜10、強調は引用者による)

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