2024年12月12日木曜日

国民を戦争で殺さない国家をつくる

 憲法について、こんなわかりやすい解説を初めて知りました。「現実と憲法は大きくかけ離れます。でも、ズレが生じるのはむしろノーマルなことです。なぜなら、憲法は公権力の現実を理想に近づけるための道具だからです。だから、自衛隊は違憲だからコツコツ縮小する努力をして無くそう、戦争しなくてすむだけの外交力を身につけよう、世界に向けて殺し合いの準備はお互いやめようと言える日本にしよう、と粘り強く主張するしかありません」(注)。そうなのです。「政府の行為によって国民を戦争で殺さない国家をつくるのだと憲法は命じてい」(注)ます。こうした憲法に背を向けて、その上、隣国に武力を突きつけて平和を訴えても説得力がなかったのです。
 立憲主義とは、憲法が政府に対する命令書だったのです。そう思い直して憲法を読み直すと、カントの命題も、すんなりと入ってくることがわかりました。

(注)隣国に武力を突きつけて、「さあ、みんな戦争はやめましょう!」と説いても説得力がありません。だから、言葉通りに九条を解釈し、自衛戦争であろうと国際紛争を解決する手段として戦争をしてはいけない(第一項)、自衛隊は立派な陸海空軍であり、第二項に違反すると考えます。そうすることで、政府の行為によって国民を戦争で殺さない国家をつくるのだと憲法は命じています。
 国民の命を守るためには、政府は卓抜した外交力が求められるでしょう。しかし、現実にはそんな能力はありません。現実に自衛隊は存在しています。現実と憲法は大きくかけ離れます。でも、ズレが生じるのはむしろノーマルなことです。なぜなら、憲法は公権力の現実を理想に近づけるための道具だからです。だから、自衛隊は違憲だからコツコツ縮小する努力をして無くそう、戦争しなくてすむだけの外交力を身につけよう、世界に向けて殺し合いの準備はお互いやめようと言える日本にしよう、と粘り強く主張するしかありません。『僕らの憲法学 「使い方」教えます』、田村理著、ちくまプリマー新書、2008年、p138~139人

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